FAF2026、心に残った瞬間 その1

インドから帰国して1週間が経とうとしています。
もうずいぶん、過去の出来事のようだけど。

約3週間のラダック滞在。5月24日にアーティストと一陣のボランティアクルーが到着し、翌25日には漫画アーティストのおぐりちはや氏がGovt. High School Mathoのあの教室に最初のひと筆を入れて、各所でアーティストが動き出し、アートプロジェクトがスタートしたのでした。
クロージングイベントは6月7日だから、壁画が完成し、教室と廊下で、おかずくんがそこにいるクルー全員の名前を点呼してその労を讃えたあの大騒ぎまで、たった2週間だったんだと、ちょっとびっくりしています。
その2週間の間にいくつもの印象的な瞬間がありました。
5月29日。
翌日からレーのアートスペース「LAMO」で「死の絵本展」先行展示が始まるということで、「LAMO」のインターンたちの助けを借りながら、おかずくんとおおくにの2人で、じっくりと展示作業をしました。でも、内心、実は焦ってもいたのです。なぜなら、この日の夕刻に彫刻家・富松篤氏とMathoの高学年の子どもたちで制作した流木の守護獣「紡樹の守」が植樹地に設置され、授業を終えた子どもたちとラダックアーティストたちへ、富松さんがその場でメッセージを伝えるというクライマックスのイベントがありました。そこに立ち会いたい、立ち会えるだろうか、時間は厳しいぞ、と思っていたからです。
けれど、展示もいいものにしたいので、そこは焦らず、じっくりと。
「あー、ダメダメ、そこはやり直し」なんてことも厭わず、頑張りました。

このアートスペース「LAMO」ですが、本当にこっちでいいのかしら? と思うような道を辿った崖の上にあります。日本なら道なき道といっても過言ではありません。しかし、レーの旧市街では、急峻な砂利の坂や、いきなり暗い洞窟はデフォルトでもあるのです。ディズニーのアトラクションを思い浮かべてください。
何が言いたいかというと、「展示完了!」の瞬間に転がり落ちるように崖を降りて、タクシーを拾って、一路Mathoへ。
「今、どこ?」「今、チョグラムサルを通過中!」
そんな電話の会話を聞いているドライバーも、こちらの気配を察して、ガタガタ道をフルスピードでかっ飛ばしてくれています。

最後は植樹地の中まで車に入ってもらって(かなりガタガタ道)、なんとか間に合いました。
息を切らしながら、富松さんの挨拶をおかずくんがヒンディーで伝え、さらにそれをチェマットさんがラダック語で噛み砕いて伝え。
「あー、みんないい顔してる」としみじみしたおおくにでしたが、実は富松さんの言葉をちゃんと覚えていないのでした・・・
何を覚えているのかというと、富松さんの涙です。
「みんな、本当に、ありがとう」って言いたかったのかな。
言葉にならない言葉。
それがいちばん伝わるね。言葉の壁を完全に超えていました。

*今後の予定
7/10(金)「死の絵本展」開幕
7/11(土)オープニング&FAF報告会
詳細はツォモリリ文庫のWEBサイトでご覧ください。

http://tsomoriribunko.com/2026_711event/

2026-06-29 | Posted in 今週のピックアップ