仙川ツォモリリ文庫の料理教室で実の父親から【クスクス】を学ぶ 文/絵:おぐりちはや

仙川駅のアートスペースツォモリリ文庫

いつからか「京王線の自由が丘」と称される仙川タウン。

その称号を良しとしない仙川至上主義者たちは、自由が丘よ、おまえたちこそが東急線の仙川駅だ!なぜ我々が自由が丘に追随せねばならない!!

仙川主義者たちは拡声器を片手に、長蛇の行進をつくり商店街を闊歩する。

 

そんな光景は全く見られることのない、のどかな街仙川にたたずむアートスペース、ツォモリリ文庫にて料理教室なるイベントが行われた。

 

父親かつフードディレクター小栗雅裕による料理教室

費用 3000円(初回のみ3500円)

  • 参加費…3000円
  • 教科書代…500円( 小栗雅裕のレシピ本。二回目の参加または購入済みの場合は不要)

所要時間 2時間30分ほど

  • 調理…約1時間30分
  • 食事…約1時間

場所 ツォモリリ文庫

 

何を隠そう講師である小栗雅裕は当ブログ筆者の実の父親だ。好きな呼び方でいえば、お父さんくん、なのだ。

父親主催のイベに参加する気恥ずかしさに打ち勝てる長男坊主がはたしてこの世にどれほどいるのかといえば、その数はほとんどゼロに近いという。

 

更に、このツォモリリ文庫は母親が企画・運営をしているスペースなので、ダブルパンチともいえる状況だ。

 

今回、自分はそんな気恥ずかしさに打ち勝った稀有な長男坊として一般参加者と同じように料理を教わった。

 

うまい料理が自分自身の手でつくれるというスキルの激ヤバさ

父親のクスクスは当然食べたことがあるが、完成された姿しかみてこなかった。

これは、間違いなく恵まれていることなのだが、自分にとって一日の終わりにうまい料理が出てくることは、当たり前のことだった。

 

しかしその功罪は当然あって、当たり前とは、ある意味公共インフラのようなものなので、その状況ありきでモノを考えてしまい、自分自身は単なる消費者になってしまう。

 

このことのまずさに気が付きつつも料理を最近までしてこなかった理由は、やはり料理が自分にとって楽しいことだと知らなかったからだ。

 

料理ができると、自分の食費の計算にもものすごい幅が広がる。自分は自分を満足させる料理しかまだできないと思っているが、父親はずっと他人を満足させる料理を作ってきた。

 

これは人を動員することもできるし、家族経営のようなツォモリリ文庫がいまここにあるのはある意味家族を動員し続けている、この料理のおかげといって過言ではないと思う。

 

自分も近いうちに人を動員するような一品が作れるようになってみたい。

 

チキンと野菜を煮込みつつ、その蒸気も活用

しかし道のりは長い。

鶏肉を単純に煮込むだけで、ものすごい良い味が作れるということも、実践してはいなかった自分には一分一秒がありがたかった。

 

しかも煮込む鍋の上に蒸篭を置き、クスクス特有の粒パスタ、スムールをその中に入れる。鶏を煮込む蒸気をうまいこと活用し、スムールを蒸らす。

 

 

無駄なく活用すること、に対し興奮を覚える自分にはたまらない構図だった。

 

自ら作る!ソーセージDIY

今回個人的にハイライトだったのは、このソーセージの作り方を知れたことだ。

自分にとってソーセージとは、製造方法はブラックボックスだがなんともうまい、という高みの存在だった。

彼は実のところ、安い器具と腸の皮さえ調達すれば、かなりのコストパフォーマンスでお手製できてしまうナイスガイだったのだ。

 

腸をセットしていく作業は時間を忘れる。没頭系作業。独特の触感。

 

肉を、この外国のおもちゃみたいなのにセットして

 

ニギニギすると、あの馴染みのソーセージさんになっていく。ソーセージハイ!

 

教室の雰囲気

今回の参加者は自分含め4人と少なめだったが、全員がソーセージ作りを体験する余裕もあり、なんでも質問できて、料理トピックの雑談交じりで進行していく雰囲気は、とてもよい時間だった。

 

受講中には小さなコップでトゥルシー茶もふるまわれ、ありがたい。

 

完成

毎度の料理で高評価レビューを欲しがる父親に対し、個人的に最大限のランクに属するほめワードがある。それは

 

店で食うやつじゃん

中東料理ということでミントティーもついていた。

外食気分も味わいつつ、作り方を教われて3000円というのはかなりのお得なのではないかと、逆親ばかレビューをせずにはいられない。