新出こずえこ カンタ展 「針と糸で綴る物語」

カンタは、20世紀半ばごろまでのインド、ベンガル地方で、主に農家の女性たちがおくるみやタペストリーとして作った刺子の布が原型です。白いサリーやドーティの薄い布を数枚重ね、さまざまなモチーフを刺繍するだけではなく、余白も全て白い糸で縫われていました。その再利用の布ゆえの全刺しが、美しいさざ波のような風合いを作り出しています。
針と糸を相棒に、新出こずえこさんは枠にとらわれない、カンタの自由な表現の世界を楽しんでいらっしゃいます。カンタで織りなす新出さんの物語を味わいにいらしてください。

会期 2023年12月1日(金)〜12月11日(月)(5、6、7日は休み)
とき Open 12:00 -18:00
会場 ツォモリリ文庫 〒182-0002 東京都調布市仙川町1丁目25-4 (京王線仙川駅より徒歩5分)
Tel 03-6338-1469

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望月先生と出会い、カンタを始めてから14年が経ちました。習い始めたころはあまり真面目な弟子ではありませんでしたし、当時はどちらかというと造形作品を作る方に軸足がありました。
その後、地縫いの楽しさに気づき、堰を切ったようにカンタを作り始めました。カンタの面白さ、奥深さ、難しさ……どう表現すれば良いのか……針目(または縫い目)という永遠性に、どっぷりとのめり込んでしまいました。
カンタ作品は、一枚制作するのにとても時間がかかります。
5年前の個展はカンタ作品がメインでしたが、その前後の個展、グループ展では、その当時やっとの思いで仕上がったカンタをギャラリーの片隅に展示するの精一杯でした。
今回は、この6〜7年くらいの間に制作したカンタの比較的大きな作品を、すべてではありませんが展示します。誰よりも私が一番、ドキドキワクワクソワソワしています。大丈夫か、私。
もちろんカンタの小作品(飾り布、額作品、巻物など)、気まぐれバッグ、人形たちも持って行きます。
ぜひ遊びに来てください。
(追記) おかげさまで、9月から開催しているカンタWSも盛況のうちに3回を終えることができました。今がちょうど折り返し地点です。募集は終了しております。
望月真理先生から、生前、幾度となく言われていたのが……あなたたちは、あなたたちの作りたいようにカンタを作っていって欲しい。で、願わくばカンタを作る楽しさを他の人たちにも伝えていってくれたら私はとっても嬉しい、これが本望よ………という言葉。耳タコです。
私にとっては、今や望月先生の唯一の遺言となりました。
ゆっくりと焦らずに実現していけたら、と思っております。

新出こずえこ
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新出こずえこ
カンタ刺繍、ホームスパン、人形、テキスタイル造形……
アートとクラフトの海を自由自在に泳いでいます。

2023-12-08 | Posted in 過去のイベント