月三草「月ノ心音」

山田絢子 610mm × 500mm
木製パネル、和紙、顔彩、ジェッソ、アクリル

水と引力と肉体と精霊と。
山田絢子、鈴木彩花、杉﨑晴菜のアートユニット「月三草」。月を見上げるナイーブな3つの受容体。
それぞれが発揚する生命の脈動。

月三草「月ノ心音」の開催にあたって

月を見上げる3つの受容体=山田絢子、鈴木彩花、杉﨑晴菜。3人の若手美術家のユニット「月三草」は、それ自体発光しません。けれど、太陽の光を青白く反射し輝く月のような、果てしない天空にぽっかり浮かんでいる、そんな人たちです。
三者三様でありながら、それでも同じ方向を見る3つの受容体としてお互いを受け入れながら、思い切りそれぞれを発揮し、観客が加わって表現が立ち現れるような、コレクティヴな展示に挑戦したいと思います。
鈴木彩花は、とんがりながらぶつかりながら成長を続けてきたアーティストです。彼女は今回、本来の「水」に立ち戻っています。のびやかで、障壁を自在によけながら進む。受け身の存在に見えて、実は岩をも砕く力強い「水」。鈴木彩花が担当します。
この3年、ツォモリリ文庫の誕生から展示を続けてきている市橋改め杉﨑晴菜は、「植物」担当です。彼女がいちばんなりたいものは植物なのではないでしょうか。地中の生物に支えられながら、地上に花を咲かせる。風に吹かれる姿は可憐だけど、その実、アスファルトを突き破ったりもできる潜在能力。
そして公開制作の壁画を担当するのも杉﨑です。ツォモリリ文庫の壁にどんな絵が出現するのか。さらに火の力を味方につけて、どうやら土を捏ねた陶芸作品もたくさんやってくる模様です。
水や大地や天体のエレメンツをとりまとめるのは山田絢子。
新境地に達した作品群を披露します。それらは、私たち人間がいかにして肉体から解放されるのかを問うているようです。彼女が担当するのはいわば想念といえるのかもしれません。解き放たれた肉体は感動的です。

どうかこの展示を楽しんでください。

2021年6月 
ツォモリリ文庫 アートディレクター 
おおくにあきこ

「月ノ心音」月三草
開催会期 2021 年 7 月 2 日(金)~ 8 月 2 日(月)
時間 金・土・日 11:00-18:00
   月 12:00-18:00
定休日:火・水・木
会場:ツォモリリ文庫 調布市仙川町 1-25-4 シティハウス仙川1階 ( 京王線仙川駅より徒歩 3 分 )
電話:03-6338-1469
主催:ツォモリリ文庫 (http://tsomoriribunko.com)

会期中のイベントとアートワークショップ
▶︎7 月 2 日(金)~ 3 日(土)、9 日(金)~ 12 日(月) 12:00 ~ 杉﨑晴菜 壁画公開制作
▶︎7 月 3 日(土) 15:00 ~ 17:00 オープニングトークセッション オンライン配信 
 詳細 https://youtu.be/Rx5NcTK4YCQ
 会場参加 参加費800円(特製カレーパン or パッションフルーツのレアチーズケーキ+ワンドリンク付き)
 参加お申込み:info@tsomoriribunko.com までお名前・電話番号・メールアドレスを明記の上、お申し込み下さい。
▶︎7 月 17 日(土) 山田絢子によるワークショップ「絶滅動物を描いてみよう」 :中止となりました
 詳細  http://tsomoriribunko.com/ayako_yamada_zetsumetsu_doubutsu/
▶︎7 月 24 日(土) 杉﨑晴菜によるワークショップ「押し花に描いてみよう」:中止となりました 
 詳細  http://tsomoriribunko.com/haruna_ichihashi_painting_on_oshibana/
 満月の日のスペシャルトーク
▶︎8 月 1 日(日) クロージングイベント
▶︎作品の一部をオンラインショップでもご覧いただけます。
https://tsomoriri.thebase.in/categories/3613878

月三草プロフィール
山田 絢子
1991 年、平塚出身、平塚在住。2014 年、専修大学文学部人文・ジャーナリズム学科卒業。一時記憶を失った自身の経験から、脳の仕組みに関心を抱き、独学で脳の絵を描くようになる。回復後はデンマーク留学を経て、人体や生命体をモチーフとしたとした絵画や、人と自然とのつながりを模索する映像作品を制作している。内側にある原風景を思い描くように、静寂を纏った青色を多く使用する。日々移ろいゆく世に身を委ね、或いはちょっと抗いつつ、その時々の感覚を表現している。

鈴木 彩花
1991 年 鎌倉市出身。横須賀市在住。地球にうまれる様々な模様に心動かされ、時に川の流れ、雲の動き、手のひらの皺、木々のざわめき、細胞などを見つめ、生きているものに共通して流れる煌めきを描く。

杉﨑 晴菜
1994 年横浜出身、大磯在住。美術家。畑で採れる野菜、島で釣れる魚など風土に根ざした体験から自然の力強さや命の循環を感じ取り、採取した土、灰、煤など自然由来の素材や廃材とともにその土地の spirit を描き起こす。時には流木に時には民家に。人間の営みと自然の生命力の交わる接点を探し求め日々表現活動をしている。

鈴木彩花 210mm × 300mm
手漉きのコットンペーパー、藍、水彩絵具
杉﨑晴菜 240mm × 320mm
昆布の標本、ベンガラ、土、水彩絵具
2021-06-27 | Posted in 過去のイベント